庭園についてAbout the garden
庭園は、三棟の歴史的建造物と調和するよう、もともとあったアカマツ、サクラ、モミジなどの樹木をいかしつつ、新たに苔や砂利などを配置しました。苔は、天然と人工栽培を組み合わせ、築山ごとの個性を演出しています。
一方、苔松庵の広間から眺められる庭は龍安寺風の石庭。
中央には新発田市五十公野地区から出土した名石「古寺石」を置き、周りには加治川ビリ砂利を敷いています。
通常は公開していませんが、毎年10月24日は紫雲閣に安置している観音菩薩像の遷座法要を営んでおり、法要に合わせて庭園を公開します。

【全体図】

A武者亭Mushatei

建物について

三ノ丸に建っていた武者家の別荘を移築。平屋部分は寄棟造り、後に増築された2階建ての部分は入母屋造りで、屋根の形が異なっている。国の登録有形文化財。

建物の詳細

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1階。二間をつなげて大広間としている。

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平屋部分の和室は格式のある書院造りで、特別な人以外は入室さえ許されなかったという。

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廊下部分。庭の眺めが美しい。

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折り上げ部と天井は漆喰塗り。天井と壁が接する廻縁(まわりぶち)はくり型になっている。

B苔松庵Taishoan

建物について

寄せ棟造りの瓦葺平屋建て。もともとこの地にあった建物で、四方開放の和室からは新発田屈指の庭園が眺められる。国の登録有形文化財。

建物の詳細

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広間から眺められる庭は龍安寺風の石庭。中央には名石「古寺石」を置き、周りには加治川ビリ砂利を敷いている。

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下がり壁には、新発田市章でもある「五階菱」を思わせる菱形の欄間

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廊下の屋根は桔木(はねぎ)工法で造られている。

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松の庭園とともに受け継がれてきた村山家の別宅を改修。

C紫雲閣Shiunkaku

建物について

花頭窓が印象的な木造2階建ての楼閣建築。かの銀閣を模したといわれている。屋根は宝形(ほうぎょう)造の瓦葺き。新発田市指定文化財。

建物の詳細

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1階は書院造り。2階の天井は、角材を格子型に組んだ格(ごう)天井で、60枚の天井画がおさめられている。

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窓は、上枠が炎の形にかたどられた花頭窓。禅宗の建築様式として中国から伝わり、寺社や書院造りなどに取り入れられた。